設計趣旨
 敷地は比企の丘陵地帯の北端にある南斜面の高台に位置しています。この恵まれた場所からは豊かな日照と大きく開けた眺望を得ることができます。
 建物の印象としては、妻面を東南方向に向け化粧母屋を大きく張り出させ、垂木と野地板をあらわしにした豪快な大屋根の形が特徴的です。
 構造軸組は4寸の柱を用い、架構をそのままあらわしにして真壁造で構想いたしました。このことから内部の空間には古い民家にみられるような木の持つぬくもりと懐かしさを醸し出すという十分な効果を得ることができたと思います。
 内部の天井は勾配天井となっており、垂木と野地板の間を気流が抜けるよう工夫し、棟の部分で自然換気しています。またヒートポンプ式床暖房を採用し、1階食堂部分の上部を吹き抜けとしており2階寝室、アルコーブとの一体的な大きな一室空間としています。さらに2階上部のロフト部分のがらりを通じて天窓の開放により空気を短時間で抜くこともできます。
 この家は言ってみればサステナブルな田園都市型住宅の理念を秘めてもいるのです。

建物名 安藤邸
設計 宮田総合計画事務所
施工 安藤工務店
構造/ 木造 2階建て
竣工/ 2010年 9月
主な外部仕上げ
外壁 1階 南西東面 タイル張り 北面 サイディング張り
   2階 杉板 厚15mm縦張り
軒裏 母屋、垂木あらわし
屋根 カラーステンレス平葺き 勾配4寸